2021/07/12

vol.8「無垢の床ってお手入れが大変?」無垢の床の耐久性について

こんにちは。住宅部の石見です。
本日は、仕様打合せ中にもよくお客様からご質問いただきます
「無垢の床の耐久性」についてお話します。

お家の玄関を開けた瞬間に広がる、木の香り。
温かみのある優しい手触りは、無垢の木ならではですよね。



住宅においても様々な場所に取り入れられる木ですが、
タケイのLow-E Houseでは無垢の床を標準仕様としております。

では、無垢のフローリングと、その他の床材との違いは何でしょうか。




●「無垢の床」ってなに?

最近の住宅に多く使われているのは「合板フローリング」です。
ベニヤ板を接着剤で複数枚張り付けて、表面に0.3mmほどの薄い木を張り付けたもので、
表面に木目のシートを張ってコーティングしたものもあります。

その他にも、水回りによく採用されている「クッションフロア」や「フロアタイル」というものもあります。
塩化ビニールでできた床材で、賃貸アパートの床に使用することが多いです。

一方、「無垢フローリング」は、木材の一枚板を加工した床材の事を言います。
天然素材なので、節があったりと色合いも一つ一つ異なります。
さらに、木という素材の特性上、湿気によって膨らんだり縮んだりもします。

「無垢フローリング」特有の湿気による膨らみ・縮みをカバーするために、「無垢フローリング」よりも比較的安価で扱いやすい床材が作られ、今では「合板フローリング」、「クッションフロア」が主流となってきました。

ペットの爪によるひっかき傷もつきにくいクッションフロア(サンゲツ)















それでも、「無垢フローリング」が使用されているのはなぜなのでしょうか?
それは、本物の木でしか味わえない香り、手触りの良さ、表情の豊かさがあるからです。
人間が五感で楽しむことができるのが、無垢フローリングの魅力なのです。

当社の打合せルームにも、無垢フローリングで作っており
足触りがよくぬくもりが感じられる「シルバーパイン」を使用しています。
はだしで歩いても足が疲れにくく、合板フローリングとの違いがよくわかります。



●「無垢フローリング」の耐久性

傷ついてしまった時*
床に物を落としてしまって、傷つけてしまった時にはどうすればよいのでしょうか。
フロアタイルやクッションフロアは水に強い一方で、一度傷をつけてへこましてししまうと修復が難しいです。
合板フローリングも、表面に木目のシートを張っているだけなので、傷をつけると下のベニヤ板が見えてしまうので見栄えが悪くなります。

無垢フローリングは、多少の傷であれば修復ができます!
木は水分を吸うと膨らむ特徴があるので、へこみの上にタオルをのせて、アイロンを当てるを元に戻ります。

完全に元に戻すことはできませんが、無垢フローリングは一枚板なので、下の違う材質が見えるようなことはなく
傷も一つの味として楽しむこともできます。

*水をこぼしてしまったとき*
日常の生活の中で、お子さまがいるご家庭などは特に「床に水をこぼしてしまった」ということはありますよね。
クッションフロアやフロアタイルであれば、表面に水が滲み込むこともないので安心です。
合板フローリングも同じく、表面に木目のシートを張っているので、水には強くサッと拭くだけで大丈夫です。

では、無垢フローリングは?
無垢フローリングは自然素材なので、水をこぼしたままにしているとシミができてしまいます。
すぐに、乾いた布で拭き取ればシミになることは少ないです。
水をこぼしたまま長時間放置することは、あまりないと思いますので、心配することはないと思います。

「どうしてもシミが気になる。」という方には、ガラスコーティングをおススメしております。

当社にあるガラスコーティングサンプルに水をこぼして、10分ほど放置してみましたが、
水が滲み込んでシミになることはありませんでした。
造作洗面台のカウンターや、トイレ・脱衣室・キッチンの床にガラスコーティングを採用されるお客様も多いです(^▽^)

他にも、油で床を汚してしまった時は、中性洗剤をぬるま湯に溶かして乾いた布で拭けばOKです。
油性ペンで汚してしまった時は、汚した直後であれば消しゴムで消えることもあります。
上記の方法で、汚れが取れないときは専用のクリーニング材を使用するようになります。
何度もクリーニング材でこすっていると、表面が徐々に削れていきます。合板フローリングは、表面がはがれると見栄えが悪くなりますが、無垢フローリングはそういった心配がありません。

無垢の床は扱いにくいようにも思われていますが、メンテナンスをしてあげると実は耐久性に優れているんですよ。





●経年変化が美しい

無垢フローリングは、へこみや傷も味になることも魅力の一つです。
新築時は、少しの汚れ・傷を気にしがちですが、経年変化として捉えれば余裕をもって生活することができます。

時がたつほど味わい深くなる無垢フローリング。
新築時には新築時の美しさがあり、10年後には10年後の美しさや味わいがあります。
経年変化を楽しみながら、無垢フローリングと共の家族の思い出を刻むのも素敵ですよ。

次回のブログでは、無垢フローリングのメンテナンス方法についてお話します。